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続巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)

続巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)
京極 夏彦
続巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)
定価: ¥ 1,365
販売価格: ¥ 1,365
人気ランキング: 168940位
おすすめ度:
発売日: 2003-08-26
発売元: 中央公論新社
発送可能時期: 通常3?5週間以内に発送

極上のエンターテインメント
「巷説百物語」の第2段。戯作者志望の山岡百介、小股潜りの又市、事触れの治平、山猫廻しのおぎんのレギュラー陣は健在。特に百介の狂言回しぶりを前面に押し出す形式となっている。また、各話の中でレギュラー陣の過去の一部を明かして、それを事件と絡ませる趣向を入れている。

「野鉄砲」では見かけ上の妖異譚の裏に潜む、治平の過去と絡んだ人間の怨念が描かれる。「狐者異」は3度首を刎ねられても蘇生する大悪党の妖異譚と、おぎんの過去の因縁を結び付け、更に"実体のないモノ"の虚妄性を暴く構想が秀抜。「飛縁魔」は"燃やされるために建てられた豪邸"が必要な程の人間の業を描く。「船幽霊」は平家の落人伝説に題を採った逆憑物落し談。四国の物見遊山的な悠然とした進行も心地良い。「死神」は前二作を締め括る形で人間の狂気と運命の残酷さを描いた力作。又市の壮大な仕掛けが見もの。レギュラー陣以外の人物造型の巧みさも光る。「老人火」は本メンバーでの百物語の終焉を告げる作品。

前作に比べ、全篇に漂う幻想性と漆黒の異界性の翳は薄くなり、その代わり人間ドラマに力点を置いた創りになっている。面白さに変りはないけれど。妖異譚の衣をかぶって、人間の深層心理の闇と運命の残酷さを描き切った極上のエンターテインメント。

悲惨な人生模様を描く連作小説
傑作短編集の第2作であるが、それぞれの話が関連しており、結局は事件がいくつかある長編小説のような体裁となった。前作「巷説百物語」の最後の「帷子ノ辻」がやや不出来であったことから抱いた危惧が、残念ながらやや当たってしまい、初期の数編ほどの完成度ではなく、幾分散漫な印象がある。又市らの仕掛けは成功率の低い危うい賭けが多くなり、話の筋も陰惨であるのみならず、登場人物の人生に救いのなさも感じられる。私はこうした血みどろな人々を見ることを、たとえ創作の中であっても好まない。
但し、もちろん水準を抜いた面白さであることには違いない。本書の最後では又市らの哀しさ、剛さ、潔さがよく描かれ、鮮やかであった。また、妖怪譚の引用元である「絵本百物語」の作者、桃山人は、つまりは百、山、人であり、山岡百介であろう。これも仕掛けのひとつかと思われる。

言の葉を追う楽しみ
 前半の3話で、説明が多いなあと思いました。それなりに面白いんだけど、ドラマが動かず、解釈と述懐で事実が変形してゆく昔の京極ワールドだなあ、と思って読み進めました。
 ところが、4話の「死神」で、怒涛の残虐秘話がつづられます。一藩をゆるがす圧巻小説です!ははあ、これを仕掛けるための前3話だったのか、と感じいりました。仕掛けてるなあ。京極堂さま、アンタが又市ぢゃんよ。百介、脱帽。だとすると、前3話も凄い。単なる説明のはずの三つの仕掛けを、それぞれ一編の小説に仕立て上げるとは…。京極堂さま、天才!
 そして最後に、又一チームが解散してしまうのも面白いのです。死んじゃうメンバーもいるし。たぶん、このシリーズは一旦ここで終わったはずなのです。決して、三部作として構想されたものではないはず。それが、なぜ「後の?」という形で復活するのか。
 うーん、「後の?」を読むのがメチャメチャ楽しみです。



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