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月下の恋人

月下の恋人
浅田 次郎
月下の恋人
定価: ¥ 1,575
販売価格: ¥ 1,575
人気ランキング: 114573位
おすすめ度:
発売日: 2006-10-21
発売元: 光文社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

釈然としない…
 表題作以下、11篇の人生の一コマを描いた短編集。正直、読み終わって読者が置いてきぼりにされるような作品が多くて、どう読んだらよいのか困りました。それは「作品のこれから先が、読者に任せられて広がりが在る」というようなよい意味ではなく、なんだか釈然としない感じが残るばかりといった感じです。
 正直、冒頭の作品を読んで、「これで終わりなの」って思いました。連作小説で、この先、何か展開があるのかと思って、先の頁をばらばらめくってしまったくらいです。『鉄道員』は良かったのになあ。
 そんな中でも「あなたに会いたい」が一番良かったかな。カーナビの「あなたに会いたい」という声が、恐怖と切なさをよく表していました。


異次元への入り口
ありふれた日常の中に、すっと異次元の世界の入り口が口を開き、その世界の不思議に身をゆだねていると、いつかまた日常に帰る…。そんな展開の小説が多かったように思います。
(「地下鉄に乗って」もそうでしたね。)
そういう意味ではちょっと作風がマンネリ化してるような気もします。文章は抜きん出て上手い作家さんなので、あまりミステリー的な要素は含めずに、さらりと人生や日常を書いて欲しい。そして読者を「別世界」にいざなって欲しいと思うのですが…。


浅田次郎氏の作品にしては イマイチ、かと。
“浅田次郎の短編集”が大好きである。
目の前にその光景が映像となって展開していくような…そういう力が浅田作品には宿っている、と思う。
今回も期待をふくらませて、本書を手に取った。
正直、拍子抜けした。
『鉄道員』『月のしずく』のような、初期の短編小説集と比べると、残念ながらクオリティが落ちる、と感じた。
『うらぼんえ』や『角筈にて』などの作品のように、心をわしづかみにされ揺さぶられるような…一瞬にしてその作品の世界に引き込まれるような、そんな作品が本書には無い、と感じた。
非常に多作な筆者である。
少し疲れているのではあるまいか、と想像してしまった。
私の要求する…作品のクオリティのレベルが高くなりすぎているのか?
他の作者の作品だったら、なかなかのもの、と思えるのかもしれない。
でも、浅田氏の今までの仕事からすると…浅田氏ならもっともっと素晴らしい作品が書ける筈、と点が辛くなってしまうのだ。
本書がつまらないとは思わない。
でも、浅田氏ならもっと…という思いは否めない。
今後の短編集に、大いに期待したい。



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