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今昔続百鬼―雲 (講談社ノベルス)
京極 夏彦

定価: ¥ 1,313
販売価格: ¥ 1,313
人気ランキング: 103801位
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発売日: 2001-11
発売元: 講談社
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京極堂こと中禅寺秋彦が活躍する妖怪シリーズに脇役として登場した在野の民俗学者、多々良勝五郎。本書は、相棒の沼上と共に伝説蒐集の旅をする多々良先生の活躍を描いた冒険ミステリー。「寸詰まりの菊池寛」ような風体の多々良先生の傍若無人な振る舞いと、それにいつも腹を立てている沼上とのでこぼこコンビぶりが笑えるコメディータッチの短編集だ。 書斎派の京極堂の物語と一味違うのは、フィールドワークを専門とする多々良先生だけに、日本各地の妖怪スポットが多数登場する点。山梨では河童による殺人事件に出くわし、長野では漆黒の怪人と遭遇。群馬では不敗の賭博師と勝負する羽目に陥り、山形では行方不明となったミイラをめぐる大事件に巻き込まれ絶体絶命のピンチに。加えて、書き下ろしの最終話「古庫裏婆」で、京極堂との出会いが描かれているのもファンにはうれしい。クールな京極堂と直情型の多々良先生との邂逅(かいこう)の場面は、思わずニヤリとさせられる。 また、この物語は、シャレや風刺が織り込まれた鳥山石燕の妖怪画の絵解きに重点が置かれているのも大きな特徴だ。「岸涯小僧(がんぎこぞう)」の絵に秘められた「がんぎ」の意味とは? 「泥田坊」の絵の裏には色事への戒めが…。企業誘致や開発計画といった「中途半端な近代化」によって地方で引き起こされた悲喜劇が、前近代の産物である妖怪を読み解くことで落着する。本書自体もまた、現代社会を痛烈に皮肉っているのが印象的だ。(中島正敏)
フィールドワーク型ユーモア妖怪談
京極堂シリーズのサブの物語で、「薔薇十字探偵社」シリーズとは一味違ったユーモアが楽しめる。妖怪研究家の多々良先生とやはり妖怪馬鹿の沼上のコンビが東日本を駆け巡り、妖怪談に巻き込まれる騒動を描くもの。2人共フィールドワーク型なので、メイン・シリーズより広範囲な地域を舞台にできる点が眼目なのであろう。収録作は「岸涯小僧」、「泥田坊」、「手の目」、「古庫裏婆」の4作。
「岸涯小僧」は村に伝わる河童伝説と過疎地開発を結び付けた話。この事件で2人はスポンサーを得る。「泥田坊」は妖怪名にふさわしい"タオカエセ"というダイイング・メッセージと不可思議な密室事件が目玉だが、密室の方は前例が多くあり、ダイイング・メッセージも真相を明かされると腰砕けになる。「手の目」は不敗の盲目の賭博師の技を多々良先生のダミ声の歌が打ち破るという趣向に笑わされる。「古庫裏婆」では"黒衣の男"がゲスト出演し、恐怖のミイラ売買事件を解決する。
作者としては他の作品群より自由気ままに書いたものであり、読む方もリラックスして読むべきであろう。それにしても多々良先生と沼上のモデルは「妖怪馬鹿」の多田氏、村上氏の2人なんじゃないですか ? 教えて下さいよぉ?。"妖怪馬鹿"の方にお勧めの一作。
学芸会並の茶番劇
不細工、非常識、無神経、無責任、無節操、無反省な悪性の妖怪オタク・多々良勝五郎が主人公、物好きな常識人の「僕」が介添え役の中編4本。まったく感情移入できない、腹立たしい主人公であり、「僕」の性格も弱く、人物設定は失敗だと思う。物語も大したことはなく、困った人に周囲が振り回されるだけの茶番劇といってよい。唯一溜飲が下がるのは書き下ろしの「古庫裏婆」。京極堂の、桁違いの凄さが実感できる。
これも喜劇のひとつの形ではあろうが、私の好みではない。また、文体も吟味が足らず、さすがの作者も筆力に驕ったと思しい。駄作は言い過ぎにしても、凡作、と言わざるを得ない。
「妖怪シリーズ」は番外編も面白い!
ご存知京極夏彦の「妖怪シリーズ」の番外編。作者が自らの博識を披露しながらも、あまりくどくどしてなく、力を抜いて書いているところが良い。京極夏彦独特の難解さがあまり無くて読みやすかった。
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