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予知夢 (文春文庫)

予知夢 (文春文庫)
東野 圭吾
予知夢 (文春文庫)
定価: ¥ 490
販売価格: ¥ 490
人気ランキング: 135位
おすすめ度:
発売日: 2003-08
発売元: 文藝春秋
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

東野圭吾ほど、多彩な作品をおくりだす作家は珍しいだろう。デビュー作は、学園を舞台にした本格推理小説『放課後』(第31回江戸川乱歩賞)。第52回日本推理作家協会賞受賞の『秘密』では、ミステリーの形式を踏みながら家族の美しい情愛をせつなくつづった。クローン技術を題材にした『分身』や大型原子炉が危機に陥る『天空の蜂』などの社会派小説も生みだしている。作品ごとに、まったく違った味わいを読者に与えてくれるのだ。 本書は「探偵ガリレオ」シリーズ2作目。帝都大学理工学部物理学科助教授、探偵ガリレオこと湯川学が、摩訶不思議な事件を論理的に解決していく、本格推理短編集である。 素封家の屋敷に侵入者があった。犯人は27歳の青年。2階で眠っていた娘を襲おうとしたらしい。逮捕された犯人は、17年前、その少女と結婚する夢を見たという。夢に現れた少女が現実に存在するとは? 予知夢はあるのか? ロマンチックにも感じられる第1章「夢想る(ゆめみる)」をはじめ、「霊視る(みえる)」「騒霊ぐ(さわぐ)」「絞殺る(しめる)」「予知る(しる)」の、全5作が収録されている。軽快な文章の中に凝縮された、オカルチックな題材と巧妙なトリック、明晰な推理と確固たる論理。本書はたぐい稀なるストーリーテラーである著者の技を堪能できる作品といえよう。(冷水修子)

原作には原作の味が
『探偵ガリレオ』シリーズの二作目。ミステリー・マニアの間ではすでにトリックは出尽くしたと言われているらしいのだが、最新の科学の成果を絡めていくとどんどん新しいトリックが可能になる。科学ミステリーは、もしかするとミステリーの救世主になるかも。

 ドラマの湯川準教授はすぐに「面白い。実に面白い」と食い付きが早いが、原作の湯川はずっと冷めている。「それは単なる偶然だろう」などと、ごく常識的な推理をする。名探偵の湯川の第一観と俗物の部長刑事の推理がたいてい一致するというところも、ドラマにはない愛嬌がある。

 シリーズがずっと続いてくれることを祈る。


新しい超常現象の究明だ
今作は前作と違って事件に関わった超常現象を解明し事件を解決する話なのです!!!!
草薙のイジられシーンは今作ではあまりありません・・・
しかし草薙がいるというだけで何か良く感じてしまうなぁ・・・
とりあえず、前作よりも事件よりその人間関係や人間性に重点を置いた作品です・・・よ!
それでもトリックを解くのは楽しいぜーっ!!
みんなもぜひ激読してくれ!!!!

真実を見通す力は超能力にあらず、論理的な考察力にあり
『ガリレオ探偵』の続編。超常現象とも思える奇妙な事件を、刑事の友人である物理学者が論理的に解決する推理小説。一話が50ページ前後の短編で構成される。本書の特徴は、一見単純な事件のウラに潜む真実を見逃すな、ということのよう。

人の世に起こる不思議なことは単純な事象の積み重ねであることが多く、複合的に考えると理解困難なことが多い。しかし、理解困難なことに対してあっさりと思考をあきらめてしまうと、真実を見通すことができなくなってしまう。そのような思考停止をした者の逃げ道がオカルトである。予知夢が確率論で語れる点についての具体的な考証は本書でも紹介されているが、『誰かのことを考えた5分以内にその人が死ぬ(虫の知らせ)』という偶然は1年間で日本だけでも数千件は起こっているし、ユリ・ゲラーの壊れた時計を直す超能力のトリックも確率論で簡単に暴かれたことは有名である。思考の短絡化は、稚拙なコールドリーディングを背後霊の言葉と信じ込んでしまったり、エスカレートするとテロと無関係な国への戦争を神の名の下に正当化したりする。

本書が前作と比較して進化している点は、短絡的思考の矛先を不思議現象のみに向けただけではなく、たとえ不審な点があってもそれを無視し、事件そのものを単純視して片付けようとする安易な姿勢に対しても向けている点である。警察の捜査やマスコミ報道には、最初から事件の犯人を決めつけたような行動がしばしば見られるが、もちろんその通りであることもあるにせよ、事実をひとつずつ積み重ねて真実を導く姿勢が重要である。

著者のメッセージは『思考停止するな』だ。各話には伏線が多めにちりばめられていて、読んでる間になんとなく結末が見えることも多いが、それでも十分楽しめたし、あっという間に読み終えた。本書に対して低い評価をする者は、予知夢などを否定されて不満に思うような読者のような気がする。中学生以上であれば十分読める内容であり、若い者には是非勧めたいし、本書をきっかけに、安斎育郎氏や菊池聡氏の教養書に発展してほしいと感じる。個人的には、各話とも種明かし前にトリックがほぼわかってしまったので星4つまでの評価。



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