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名探偵の掟 (講談社文庫)

名探偵の掟 (講談社文庫)
東野 圭吾
名探偵の掟 (講談社文庫)
定価: ¥ 620
販売価格: ¥ 620
人気ランキング: 7123位
おすすめ度:
発売日: 1999-07
発売元: 講談社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

座右の書です(恥ずかしながら)
 こういう本が「座右の書」だなんて、ミステリーファンに叱られそうだし、東野圭吾の熱烈なファンには呆れられそうだが、私はいつも手近に置いていて、頭を休めたい時、気分転換したい時に、拾い読みしている。短編集だから、その時の気分に合った話を読めるのも手頃だ。

 密室、孤立した別荘、ダイイングメッセージ、アリバイトリック、などなど、いわゆる本格ミステリーの定番の設定をネタに、名探偵・天下一大五郎と、相棒の大河原警部が、事件を解決しつつ、時々、本筋から離れて、「ミステリーの楽屋裏」について、ぼやいたり「登場人物の本音」を言い合う。その「漫才」の部分がとにかく可笑しい。

 パロディ精神とユーモアにあふれた、バカバカしい本だが、案外、東野圭吾の本領はこういう所にあるような気もしている。彼はシリアスな大作路線で売れてしまった感があるが、もう一度、本格でなおかつユーモアミステリー、というような作品にも挑戦してほしい。

東野作品を読み進む上で参考になる作品
天下一探偵と大河原警部が数々の事件に挑む。だが、彼らは度々小説世界を抜け出し
本音を語る。『そんなはずないじゃないか・・・』と。
本作は推理小説のさまざまなカテゴリ、そこに内在する暗黙の了解と限界等を示した
上で、ばかばかしく、しかしながらまじめに話を展開してみせる。この風刺めいた
感覚は、自身も含めたあまたの作家と、斜に構えた我々読者に向けられたものである。
そこには本当の推理小説がもつ醍醐味や味わい方を忘れかけている我々へのメッセージ
がこめられているのではないか。
だが、東野圭吾の凄いところは、ただ批判するのではなく、自身でそれに対する答えを
提示している点だろう。解説の村上氏が整理してくれているように、『悪意』や『どちら
かが彼女を殺した』は確かにこの短編に収録されているエピソードに対する作者自身の
ひとつの答えであった。
こうなれば他の『答え』も読むしかないではないか。

ミステリーを愛する人への贈り物
好きだからこそ意地悪したい。大好きだから茶化したい。作品を発表するごとに、ミステリーの枠を押し広げていく東野氏の、ある意味アブナイ連作短編集。
ミステリーという分野を象徴する「密室」「フーダニット」「アリバイ崩し」などのトリックをひとつひとつあげつらい、徹底的にいじり、茶化し、笑いのめす。時代遅れで非現実的な密室殺人は、同じく笑える肩書きをもつ「名探偵」も推理するときは恥ずかしいんだなぁ。
「それを言っちゃあおしまいよ」という、ミステリーのタブーに果敢に挑んだ東野氏の勇気と稚気とミステリーへの限りない愛情がひしひしと伝わってくる名作。ミステリーが大好きな人のための最高のプレゼントです。



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