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ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)
東野 圭吾

定価: ¥ 620
販売価格: ¥ 620
人気ランキング: 14922位
おすすめ度:

発売日: 2005-06-14
発売元: 光文社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
もう一つの完全犯罪は?
これは、「誘拐もの」と言うより、人質と犯人がグルになっているから「狂言誘拐もの」の一種と言うべきだろうが、その範囲ではすごく面白い小説。読み始めたら、途中ではやめられない。
完全に犯人側の視点だけで描かれ、警察が動いているかどうかもわからない。そんな状況で、敏腕広告プランナーでもある犯人の佐久間は、警察の動きを予想し、先手を打って完璧な計画を立てて実行していく。
いわば、佐久間の頭の中の警察と、佐久間自身の知恵比べとでも言える展開になっているのが、斬新な設定と言えるし、ページをめくる手が止まらない理由でもある。もちろん、相手は人質の父親でもあるけれど。
作者の東野圭吾は、善人が出てこない物語を作りたかった、と言っているそうだが、そういう悪人だけの犯罪小説として成功していると思う。
また、人質の「樹理」が魅力的。彼女も一種の悪女だけれど、小悪魔という感じで、その言動にはドキドキする。彼女が人質でなければ、この作品は娯楽作として成功しなかっただろう。
しかし、「完全犯罪」の誘拐事件の裏側で、同時進行していた、「もう一つの完全犯罪」が結局どうなったのか、決着がついていない点は納得いかない。善人がいない小説が狙いなのだから、犯人が逮捕されるとかいう、「社会的な決着」は必要ないだろうけど、物語としての、何らかの決着はつけてほしかった。
よく出来た絵空事
褒めている意見が多い中でなんですが、話はライトで読みやすいが、リアリティを期待する
向きには駄目でしたねぇ。
大手自動車会社の副社長夫妻の車がベンツとBMになっていて、なんだかなぁ・・・。
狂言誘拐をスタートするにあたって行動チェックをしているけど、その前に目立ちすぎていた部分へのフォローはないし。
本当にやったら?間違いなく捕まっていると思いますが。
純粋に、「推理小説」が好きな人間にはオチもわかってしまうしね。
まあ、狂言誘拐?犯人視点といえば、岡嶋二人の佳作が世にあるわけで、あの吸い込まれるような?落ちていくような?臨場感を求めてはいかんということなんだろうけれど。
勝負は引き分け?
一流を自負する広告プランナー「佐久間」が心血を注いだプロジェクトが、そのクライアントである日星自動車の御曹司「葛城」副社長に白紙に戻されるところから物語りは始まります。
人生をゲームに見立て、綿密なプランを立て、その克服に喜びを感じてきた「佐久間」とゲームに自信を持つ「葛城」、「葛城」に一矢報いたい「佐久間」が、ゲームの達人を自負する「葛城」に誘拐と言うゲームで挑みます。
「佐久間」は、ヒョンなことから「葛城」の娘「樹理」という共犯を得て、綿密なプランを立てゲームを実行し、見事に成功したかに見えますがどんでん返しが待っています。
この物語の中で重要な役割を担う「樹理」ですが、どんな環境で育ったのか、と思うほどしたたかに描かれており、最初は非常に違和感を感じたのですが、読み終わると納得します。
読み進めていく中でヒントになる「葛城」が言った3つの文章を記しておきます。
◇勝負時での直感力と決断力があるかどうかで、成功する人間とそうじゃない人間に分かれる。
◇万が一のことを考えてプロテクトを作る。
◇優秀な人間は、知らず知らずのうちにに自分を補強する材料を入手している。
人生を生き抜いて行く上でのヒントにもなりそうです。
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